寒い季節ではないのに犬がブルブルと震える姿を見た事がある人は多いのではないでしょうか?
「震える演技?もしかして仮病?」と思ってしまう方や、一点を見つめたまま震えるのを見て「幽霊でもいるの!?」と怖くなってしまった方もいると思いますが、いえいえ、そんな事はないんですよ♪
犬が震えるのには寒さの他にも気持ちから来る震えや痛みから来る震えなど、様々な理由があります。
この記事では、犬が震える原因を8つに分けて詳しく解説していますので、愛犬がなぜ震えているのかを知りたいときにお役立ていただけましたら幸いです。
目次
犬が震える主な原因は?
寒くないのに犬が震えている原因は、カーミングシグナルによる震えが多く、そのときの犬の気持ちや、置かれている状況が関係して震えている事が多いのです。
カーミングシグナルとは犬が自分の気持ちを落ち着かせたいときや自分の気持ちを表したいときにする仕草の事を言います。
カーミングシグナルによる犬の震えは以下のような感情のときになります。
- 抑えきれない嬉しさ、喜び
- 興奮状態
- 我慢している、我慢させられている
- ストレス
- 恐怖
これらの震えは一時的なものが多く、犬が落ち着けば震えは治まりますが、我慢やストレスなどのマイナスな感情からくる震えの回数が多い場合は、犬との関わり方や生活習慣や環境の見直しが必要な場合があります。
カーミングシグナルではない震えは以下の通りになります。
- わざと、演技
- 寝ているときの体の反応
- 車酔い
- 寒さ、冷え
- どこかが痛い、具合が悪い
気持ちによる震えではない場合、病気や体調不良が原因になっている恐れがあるため注意する必要があります。
では次に、犬が震えているときの気持ちの解説と、それぞれの震えの理由についてを詳しく解説していきます。
犬が震える原因1.嬉しさや興奮状態
犬は、自分で抑えきれないほどの嬉しさや喜びに直面したときにブルブルと震えます。
これは、はやる気持ちをおさえなきゃ!という気持ちの表れです。
あまりはしゃいだらよくないよねと、自分の気持をセーブしたり我慢をしています。
喜びによる犬の震えは以下のような場面で見られる事が多いですfa-arrow-down
- ごはんや好きな食べ物を食べる前
- お散歩やお出掛けに行く前でワクワクしている
- 飼い主さんが帰宅したとき
- ゲージから出してもらえそうなとき
- 抱っこしてもらえたとき
- 遊んでいるとき
- 何か大好きな物が目の前にある
- おいしそうな匂いがするとき
犬にとって、とても嬉しい場面ですね♪
尻尾をブンブン振っていて嬉しいはずなのに震えているときは、自分の気持ちをセーブしている事による震えなので心配はいりません♪
これらか起こる楽しい事を一緒に楽しみましょう!
中には、家で焼肉をしているときに震えてしまう犬もいるそうです。
大好きなお肉の匂いを嗅いで、「食べたい!でも我慢!」と、自分の気持ちをセーブしているのかもしれませんね!
もちろん、嬉しいときには自分の気持ちをセーブしないで感情をありのまま体で表現する犬もいます♪
犬が震える原因2.我慢、ストレス、緊張
さきほどの楽しい感情の震えとは逆に、我慢、ストレス、不安感、緊張状態などのマイナスな感情のときにも犬は震えます。
これは、嫌な気持ちを落ち着かせたい、今の気持ちをどうにかしてほぐしたいという気持ちの表れです。
マイナスな感情による犬の震えはこのような場面でよく見られますfa-arrow-down
- 叱られている、または叱られるのを察知した
- 芸をする時間が長い、何度もさせられる
- 病院など苦手な場所に行く前
- 苦手な物(カメラなど)が目の前にある
- 初めて見る物や匂いなどに遭遇した
- 苦手な道が見えた
- 人見知り、犬見知り
- 家族が言い合いをしている
- お留守番が長かった
- 引っ越しなどで環境が変わった
など、犬により震える場面は様々です。
予防接種、治療、手術とあまり良い思い出がないからかな。
お散歩は大好きなのですが、その装着等が嫌みたいです。
ドライブなどのお出掛け時はテンションが上がってハーネス着けても大丈夫です笑
何か嫌な事、苦手な事、その記憶がある場面に直面したときに緊張や不安感などのストレスを感じ、自分の気持ちをほぐしたくて犬は震えているので、そのような場合はまずは落ち着かせてあげる事が大切です。
緊張しているのかな?不安かな?と感じたときは、愛犬の頭や背中を撫でたり抱っこをしたりして「心配ないよ、大丈夫だよ」と安心させてあげましょう。
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もし、同じ場面でいつも震えていたり、環境の変化による震えの場合は、放っておくとストレスから前足の足先を執拗に舐めるなどの異常行動や精神疾患に繋がる恐れがあるため
- 芸をしているときにいつも震えるのであれば芸の時間を短くする
- 叱り方に問題がある場合は叱る時間を短くする、声のトーンを下げる
- 留守番が長かった日はいつもより多く遊ぶ
- 環境が変わったなら犬が安心できる場所を作る
など、愛犬のストレスが減るよう、工夫をしてあげると良いでしょう。
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強いストレスを感じたときには震え以外にもこのような症状が出てしまう事もあります。
- ハァハァと舌を出して呼吸をする
- 白い泡や胃液を吐いてしまう
- 下痢をする
苦手な事やストレスから解放されたり気持ちが落ち着いたあとはケロっと元気になりますが、元気のない状態や食欲のない日が続くようであれば精神疾患の恐れもあるため、一度獣医さんに相談をしてみましょう。
喜びによる震えなのかマイナスな感情による震えなのかイマイチ見分けがつかないときは尻尾をチェックしてみましょう!
震えているけれど、ご飯やお散歩の前のように尻尾をブンブン振っている場合は嬉しい気持ちの表れなので、1つの判断材料にしてみてください。
犬が震える原因3.恐怖、怯え
犬は恐怖や怯えにより体を震わせます。
怖い!!という感情からの震えで、これは人間と同じですね。
恐怖や怯えによる犬の震えはこのような場面でよく見られますfa-arrow-down
- 花火・雷・掃除機などいきなり大きな音がした
- 自分より大きくて怖そうな犬に会った
- 家族が喧嘩をしている・怒鳴っている
- 叩かれた・怒鳴られた
- 痛い思いをした場所に来た(それを連想した)
- 人や犬の悲鳴を聞いて自分も怖くなった
- 地震による大きな揺れ
- 嫌な記憶、怖い記憶を思い出すキッカケがあった
このような場面に遭遇したときにはハァハァと荒い息をしたり、飼い主さんから離れなくなったりどこかに隠れてしまうなど、落ち着かない様子を見せる事があります。
また、中には怖さから他の犬や飼い主さんに向かって唸ったり噛もうとしたりする場合もあるため注意が必要です。
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普段の生活の中で犬が恐怖を感じる場面というのはあまり無いのですが、気を付けたいのは花火や雷です。
犬は大きな音が苦手なので雷や花火の音を聞いて恐怖を感じる子が多く、尻尾を丸めて震えてパニックになったり、散歩中に急に走り出して迷子になってしまう子もいるようです。
愛犬が恐怖を感じて震えているときには、飼い主さんが慌ててしまうと犬も余計に不安になってしまいます。
愛犬を安心させてあげるために、飼い主さんはいつもと同じように平然としている事が大切です。
あとは爆竹も!
結局抱っこしてチェーンをまたぐのですが、その時はガクガクブルブルです。
越えれば平気です!
雷や花火などの大きな音や恐怖で怯えているときの詳しい対処法についてはこちらfa-arrow-down
犬が震える原因4.わざと、演技
犬は、構ってほしいときや甘えたいときにわざと震える事があります。
愛犬が何らかの理由で震えたときに、飼い主さんから「どうしたの?大丈夫?」と優しくされたのを覚えている犬に限ります。
お手などの芸をするとオヤツがもらえる等の学習と同じように、震えると優しくしてもらえる!と学習したのです。
犬が飼い主さんに構ってほしい時、「そうだ、あのときは震えたから優しくしてくれたんだ!よし、震えてみよう!」と思い、震える演技をするのです。
なんだか可愛いですね♪笑
しかし、構ってほしさの震えに毎回応えてしまうと、犬は「これが正解なんだ」と学習してしまいますので、この場合は構わずに放っておく、または違う事をして気をそらせた方が良いとされています。
犬が震える原因5.寝ているときの体の反応
犬は寝ているときにもブルブルと震えたりします。
寒いのか心配になってしまいますが、これは浅い眠りのレム睡眠のとき、つまり夢を見ているときに起こる体の反応だといわれています。
脳が覚醒している状態なので、脳の動きに体が反応して動いています。
前足だけ小刻みに震えたり、太ももだけ震えるなど、体の一部分が震える様子がよく見られます。
また、このときには眼球が動いていたり、小さな声でワンと鳴いたりする事もあります。
どんな夢を見ているのか気になりますね♪
fa-pawチェック
全身が長時間ブルブル震えていたり、体を丸くして鼻を隠すようにしてうずくまって寝ている場合は寒さによる震えの可能性があるため、室温が快適な温度になっているかチェックしてみましょう。
犬が震える原因6.車酔い
犬も人間と同じく車酔いをしてしまう場合があります。
車に酔って気持ちが悪い時にブルブルと震え出し、ハァハァと荒い息になったりよだれが出てきたりします。
とても具合が悪そうに見えますが、車酔いは一時的なもので、車から降りるとケロっと元気になります。
fa-pawポイント
車に乗る度に毎回震えたり吐いてしまうのは可哀想ですし、これから先、車に乗ることがストレスになってしまう場合があるため
- 車を止めて休憩をする
- リラックスさせてあげる、気を紛らわせる
- 優しい運転を心がける
- 車酔いのトレーニングをする
- 酔い止め薬を処方してもらう
- 車に乗る前は何も食べさせない
などの対処をしてあげると良いでしょう。
犬が震える原因7.寒さや体の冷え
これも人間同様の体の反応で、犬も寒さを感じると体を震わせます。
超小型犬やチワワなどの体の小さめな犬は体温の低下が早いため、特に寒がりだと言われています。
また、老犬やシニア犬は代謝の低下や筋肉量の低下などにより体温調節が難しく、若い頃よりも寒さを感じやすいため、寒い季節ではなくても寒さで震えてしまう場合があります。
寒さでの震えなのか、そうでないのか判断が難しい場合は以下の事柄をチェックしてみてください。
- 全身がブルブルと震えている
- 震えが止まらない
- 体を丸くして鼻を隠すようにしてうずくまって寝ている
- 毛布などに潜り込む
- いつもいより元気がなように見える
- 暖房の前など、温かい場所によく居る
- 水を飲む量が減った
これらが見られたときは寒さによる震えの可能性が高いため、犬の体を温めてあげる必要がありますので、室温を上げたり洋服を着せてあげて外側から温めたり、温かい食べ物で内側から温めてあげましょう。
これらの対策をしても上記のような震えが止まらない場合は、何か痛みを感じていたり体調不良による震えの恐れがあるため、動物病院の受診をおすすめいたします。
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犬が震える原因8.痛み、体調不良、病気
犬は、体のどこかに痛みや不調を感じたときに震える事があります。
じっと動かずに震えている、うずくまって震えているなどの様子が何日も続いていたら、体のどこかに違和感がある、またはどこかが痛いのかも知れません。
痛みが激しい場合はハァハァと荒い息になり、吐いてしまう事もあります。
痛みや体調不良があると震えの他にも普段とは違う様子が見られます。
- 何日も震えが止まらない
- いつもに比べて様子がおかしい
- 食欲低下、ご飯を食べない
- 全然寝ない、寝てもすぐ起きてしまう
- 触ると痛がる所がある
- 体が強張っている
- 歩き方がおかしい、立てない、座らない
- 同じ体勢ばかりしている
- 怪我はないか
- 血便、血尿はないか
- うんちが出ない
- てんかんやヘルニアなどの持病による痛み
- 術後の痛み
このような変化が見られた場合は体のどこかに異変が起きているため、なるべく早めの受診をおすすめいたします。
心配のない犬の震えと注意が必要な震えの見極め方
愛犬がとくに嬉しそうでもないし、痛がっている様子でもないし震えの原因がイマイチよく判断できない場合は、その震えが心配ないものなのか注意が必要なものなのかを犬の仕草から読み取ってみましょう。
嬉しいとき、甘えたいとき、興奮しているときには、表情が生き生きとしていて、動きは軽く、尻尾をブンブンと振っていると思います。
この場合は嬉しさを我慢している事による震えで、心配のない震えだと判断できます。
この場合の震えのときには、元気はなく、尻尾が下がっていたり尻尾を足の間に入れて丸めている様子が伺えます。
また、体の強張りも見られるときがあります。
何かストレスのある状況にないか、痛い所はないかを確認してみましょう。
- おやつやお散歩やご飯など、嬉しい事があっても震えが治まらない
- 暑いときのように舌を出して息をしながら震える
- 普段と様子が違う、元気がない
このような震えが何日も続くようでしたら注意が必要です。
痛みがある、またはとても強い恐怖感やストレスがあると思われるので、病院で診察をしてもらいましょう。
さいごに
寝ているとき以外の犬の震えには、まずは「大丈夫だよ」などと優しく声をかけて安心させてあげましょう。
そして、そのときの状況や尻尾の動きを見て何が原因で震えているのかを判断し、愛犬をリラックスした気持ちにしてあげましょう。
どうも様子がおかしい、どこかが痛そうと感じたら病院へ行って診察をしてもらってくださいね。
犬のカーミングシグナルには震えの他にも様々な種類があります。
- 視線を逸らす
- 片方の前足を上げる
- あくびをする
これらのカーミングシグナルが組み合わさって出ることもあります。
愛犬の気持ちをより理解するためにも、その他のカーミングシグナルについての記事も合わせてご覧くださいfa-arrow-down
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